嘘つきは本当のことを盗んでいる。
若生悠矢@spectiveprophetです。
嘘つきは泥棒の始まりである。
僕に子供ができることがあったら、嘘をつかない子供にしてあげたい。
嘘をつかなければ、なんでも許してあげる甘いお父さんになろう。
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本当の自分。自分は本当は何を考えているのか、本当は何を求めているのか。いくら考えてもおさまりがつかない。何を求めているか分からないのなら、別に何も求めていないということだろう。
本当の自分は、僕が見ている。そうじゃなきゃ、誰が見るのか。
そして他人のことも僕が見ている。僕が「同僚」「友達」「恋人」「妻」「敵」という関係で見ているのだ。
相手にどう思われているかも、僕が決めている。僕がこれらの関係を信じていれば相手もきっと同じだし、信じていなかったら相手も信じていないはず。
僕の見ている世界における若生悠矢や色々な役割で関係している他人の運命は、僕が握っている。
ブログでは書き手と読み手として色々な人と関わっている。職場での関係は課長であり、親兄弟の関係では長男である。その他にも、色々な場所で異なる若生悠矢が存在する。
もし僕が若生悠矢のことを見て見ぬ振りして、他人のことだけを見ていたら、どうなるだろう。
見て見ぬ振りをするといっても、僕にとって世界に若生悠矢が存在しないという状態は本来ありえない。
しかし嘘を使うことで、それが可能となる。想像ではなく、実際にそうだった。
相手に合わせるとか、そんな甘いものではない。嘘の若生悠矢を見せて相手を騙すのだ。
本当のことは僕しか知らない。相手のものであるはずの真実を自分のものだけにしてしまう。
嘘つきは本当のことを盗む人間なのだ。
以前友人が僕と話しているとき、ふと、「悠矢くんが本当にいるのか分からない」と言ったことがある。「透明」とか言って笑っていた。表現が豊かな人なのだけど、真実を暴かれた気がした。
これは自分に嘘をついていると他人から自分が見えなくなるという、嘘をついた僕への罰だ。
(おわり)