やり直した人生の奇跡!アフターストーリー(第9巻)も超感動!『僕だけがいない街』(三部けい)
若生悠矢@spectiveprophetです。
漫画がヒットしてアニメ化、実写映画化もした『僕だけがいない街』の第9巻を読みました。
時系列的には本編の最終巻(8巻)の内容を補足するものではありますが、その続きとしてカウントされていることからも、アフターストーリー的な位置付けとなっています。
今回は作品全体を通した作品の素晴らしさを紹介したいと思いますが、ネタバレを含みますので、これから読もうと思っている方はお控えください!
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タイムトラベルもの!
僕は『僕だけがいない街』を漫画1巻の発売時から知っていて、「これは面白すぎる!」と漫画好きの知り合いに勧めていました。雑誌かウェブで「タイムトラベルもの」として取り上げられていて、速攻で読みはじめたのを思い出します(笑)
タイムトラベルは最初、短い間隔でのリバイバル(再上映)という形で始まりますが、あるきっかけで時間が大幅に戻ることで、漫画家志望で冴えない青年だった主人公(悟)の人生をかけた戦いが始まります。
やり直しのきかない人生をやり直す
『僕だけがいない街』はタイムトラベルといっても時間を行ったり来たりはしません。
戻ってやり直したら、その事実しか残りません。並行世界が存在しないという意味での緊迫感があるのです。
悟は母が殺害されるという事件をきっかけにリバイバルすることで、小学生時代に戻ってしまいます。悟にとって想定外ですが、母の殺害はこの時代の何かを解決しないと避けられないということを理解します。
母の殺害に通じる、小学生のときに起こっていた事件を解決するために、心は大人、見た目は子供の悟は命をかけます。
この、小学生時代をやり直すという郷愁と舞台である北海道の印象が切なさを増幅させ、やり直しのきかない人生をやり直すという緊迫感が、いくつもの感動を呼びます。
悟と悟の母の思い、友達の行動が素晴らしい
『僕だけがいない街』は、悟の母の物語でもあります。なんといっても悟への愛情が最高で、悟を見守り、悟を守る姿は、何度読んでも(観ても)泣きそうになります。
またなにより、小学生の姿をした悟が青年の心で母を思う姿にも感動します。大人になるとなかなか素直になれないものですが、母を救う覚悟を決めた悟は素直です。
悟の友達たちとの関係も素晴らしい。
悟がリバイバルをしたことで、大人の心をもった悟だからこそできるようになった勇気ある行動が友達の行動を変え、成長させていきます。
悟がやり直した人生で、悟に関わるみんなが素敵な大人になっていったということは、悟が素晴らしい人間だったからだと思うのです。
僕は本当の意味で人生をやり直すことはできませんが、過去に後悔したことがあるなら、それをいつまでも心の中に抱えているのではなく、後悔を経て成長した自分で行動していきたいと思わされました。
漫画の第9巻は、この悟の母と友達の物語が描かれていて感動の嵐です。
コマ割りや風景の描写が感動的
表現が難しく、とにかく読んでみて欲しいのですが、漫画のコマ割りがすごい。
モノローグ的に言葉で説明する部分と、多くを語らず、絵と、その間で表現される物語に引き込まれます。
漫画で読んでいたとき、「これはドラマだ」と言っていたのを思い出します。
アニメになると、漫画の印象はそのままに動く登場人物と景色と会話(声)に感動します。悟の母の声とか、本当にやばいです。(泣きます)
また、僕は北海道というだけで切なくなってしまう東京人ではありますが、伝わってくる寒さの印象や、澄んだ風景の描写に感動します。特に、悟と雛月が2人で星空を見渡すシーンは本当に感動的です。
漫画とアニメでは終わり方が異なる
漫画とアニメは終わり方が異なり、アニメのほうが盛り上がる演出がされています。
僕はどちらも好きですが、強いていうなら、じっくり語られる漫画の方が好きです。
それでは、すでに知っている方も多いと思いますが、漫画もアニメも素晴らしいので、もし気になっている方がいたら、是非この機会に読んで(観て)ください!
今、kindleの1巻〜8巻までが半額になっていて、アニメはNetflixで配信しています!
(おわり)
(参考)シンプルだけどすごい!「僕だけがいない街」のロゴに隠された秘密とは - Togetterまとめ