「わたしたち」の幸せを!アドラー心理学『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(岸見一郎・古賀史健)を読む!(第8回)
若生悠矢@spectiveprophetです。
今日は「愛のタスク」の続きです。愛とは一体なんなんだろうなどと向き合っていない僕は、まだ自立していません。アドラーには明確な答えがあります。
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主語は「わたしたち」
利己的に「わたしの幸せ」を求めるのではなく、利他的に「あなたの幸せ」を願うのでもなく、不可分なる「わたしたちの幸せ」を築き上げること。それが愛なのです 「わたし」や「あなた」よりも上位のものとして、「わたしたち」を掲げる 利己的では「ない」のだし、利他的でも「ない」のです。愛は、利己と利他の両方を兼ね備えるのではなく、どちらも退けるのです。
「わたし」でも「あなた」でもなく、ふたりから分離した「わたしたち」。実際うまくいく関係ってそうじゃないのかな?と思わなくもないですが、明確に認識したことはありませんでした。
むしろ明確にすると、自分は「幸せにしてあげたい」「幸せにして欲しい」と思っていたことに気づいてしまいます。
アドラー心理学は女性のほうが共感を得やすいという話しがありますが、この「わたしたち」の感覚も、女性のほうが受け入れやすいのかもしれません。本当の自分を捨てて社会性や関係性を重視する傾向も女性の方が高いと言われています。男性は利己的か利他的に大きく振れてしまって、目の前の相手を見ていないという傾向があります。
これは女性、男性どちらも、子供の頃に親や学校からの「担保のある愛」に縋ってきた後遺症のようなものです。むしろそれしか知らない。「担保のある愛」からの自立は、誰も教えてくれないことだから。
運命とは自らつくり上げるもの
「関係」に踏み出す勇気をくじかれた人は、どうするか?「運命の人」という幻想にすがりつくのです。 過大な、ありもしない理想を持ち出すことによって、生きた人間との関わり合いになることを回避する。それが「出会いがない」と嘆く人の正体だと考えてください。 ロマンティックな幻想を抱くのは、「すべての候補者を排除するため」だと言います。
ここでも出てきますね。「勇気」の問題。
アドラーは究極的には誰のことも愛することができるといいます。愛は「決断」である、と。
縁、巡り合わせ、相性、言葉はいろいろあるけれど、結局、限りある出会った人たちのなかから愛する人を選び、勇気を出して決断するだけです。きっと勇気があれば、いつだって踏み出すことができるはずです。
あらかじめ定められた運命だったのではなく、「運命だと信じること」を決意しただけなのです。 運命とは、自らの手でつくり上げるものなのです 踊るのです。わかりもしない将来のことなど考えず、存在するはずもない運命のことなど考えず、ただひたすら、目の前のパートナーと「いま」をダンスするのです。
主語を「わたし」から「わたしたち」に変え、一緒に踊っているなかに、運命だったものが見つかる。
自分がどうしたいのか?相手がどうしたいのか?ではなく、「わたしたち」はどうしたいのか。課題としてみれば、「課題の分離」とも言えます。
こう書いていると当たり前じゃないかと思いますが、実際に行動しようとするとよく分からないから、あやふやになるのです。だからこそ意識的に「わたしたち」の関係を築き上げなければならないのだと思います。
とっかかりは昨日書いた「おいしいものを食べよう」が一番簡単です。おいしいものを食べてお互いの好きなことを話して笑ったり驚いたり、心躍る感じでいられれば幸せです。
家族とは「一緒に食事をする集団」ということを聞いたことがあるのですが、家族とまではいかなくても、集団として仲良くなる第一歩が食事だというのは合っているようにも思います。
(つづく)
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